6年くらい前に新品で購入し、半年くらい使って後は眠っていたThinkPad X41 Tablet(以降X41T)がある。X41Tは液晶やキーボードは申し分ないのだけれど、内蔵HDDが日立の1.8インチで大変遅いのが難点だった。
みんな同じようなことを思うらしく、以前からSSDやCFを使った擬似SSD化している人を見かけていたが、 SSDやCFの値段が高く、遊びで行うには勿体無いため躊躇していた。
しかし先日amazon.comを覗いていたら、トランセンドの400倍速の32GBのCFが7400円位で売っているのを見つけ、そろそろやってみる事にした。
◆方針
1)出来れば現在の1.8インチディスクに入っている環境をそのまま移行。
2)うまく行かなければ手持ちのWinXP HomeEditionをクリーンインストール。
Tablet EditionではないのでTablet機能が使えなくなるが、そこは諦める。
◆使用した機材
・CF
トランセンド TS32GCF400 (32GB、400倍速、転送90MB/s、書込60MB/s)
amazonで7400円程度。
・CF-IDE変換アダプタ(以降変換アダプタ)
PA-CF18H-EF
どこかのサイトで1500円程度で購入。
・IDE-USB変換ケーブル(以降変換ケーブル)
Groovy UD-500SA
以前からの手持品。
・Windows XP Home Edition(以降WinXP)のメディア
XPが最初に出たときに購入した、SPが全く当たっていないもの。以前からの手持品。
手持品を除くと合計約9000円の出費でした。
◆方針1)のトライ
1.HDDのパーティーション縮小
現在のHDDは40GB、購入したCFは32GBであるため、そのままでは移行できない。
そのためフリーのパーティーション変更ツールである、「EASEUS Partition Master8.0.1」を使って、HDDの起動パーティーションを28GBに縮小した。(余裕を見て少し小さめにした)
EASEUS Partition Master8.0.1
http://www.partition-tool.com/personal.htm
2.CFの接続
CFを挿した変換アダプタを、変換ケーブルを使ってX41Tに接続。
この時、変換アダプタ 上にある、2.5インチ、1.8インチ切替ジャンパは2.5インチにしておく。(どうも2.5インチは5V、1.8インチは3V駆動で、このジャンパで電圧を切替られるらしい)
3.OSパーティーションをCFにコピー
X41Tを起動して、同じくフリーのバックアップツールである、「EASEUS Todo Backup Home 2.5」を使って、縮小したパーティーションを新しいCFにコピー。
EASEUS Todo Backup Home 2.5
http://www.todo-backup.com/products/home/free-backup-software.htm
4.CFで起動
X41Tをシャットダウンし、HDDの代わりにCFを挿した変換アダプタを入れて、X41Tを起動。BIOSにて、「HDD互換性がない」といった警告メッセージが出るが、「ESC」キーを押して継続。(BIOSのStartupの中の、「Boot after message for HDD compatibility without having to press」を「Continue」に設定しておけば、警告は出るものの、ESCを押さなくても少しすると自動で継続してくれるようになる)
これで起動するハズだと思っていたが、上記メッセージでESCを押した後、OSの起動に至らず画面上に「_(アンダースコア)」が一つ表示された状態のまま先に進まなかった。どうもMBRをうまく認識してくれないようだ・・・残念だが方針2)のクリーンインストールに切り替える事にした。
◆方針2)のトライ
1.CFの接続
CFを挿した変換アダプタを、変換ケーブルを使ってX41Tに接続。
2.USB-DVDドライブの接続
WinXPのメディアを入れた外付けUSB-DVDドライブをX41Tに接続。
3.OSインストール
X41Tの電源を入れ、WinXPのインストーラーを起動。通常通りにOSをインストール。 インストール自体はいつもより時間がかかった気がするがまあ順調だったが、インストールが終わって再起動した際、「ようこそ」の画面で10分くらい先に進まない自体が発生。
実用上大きな問題があるが、先には進むのでとりあえず設定を優先する事にした。
4.ネットワークアダプタのドライバインストール
再起動してXPの画面が起動したのでデバイスの認識状況を確認したところ、ネットワークアダプタが認識していないので、LenovoのX41Tのドライバのページから別のPCにて、「Broadcom NetXtreme ファスト/ギガビット イーサネット ソフトウェア」をダウンロードし、X41Tに持ってきてインストール。
LenovoのX41Tのドライバのページ
http://www-06.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd03.nsf/jtechinfo/SYJ0-01F4DBA
ここから先はX41T自体でネットに繋ぎ、下記のように順次インストール。
5.WinXP SP1aのインストール
6.WinXP SP3のインストール
7..net framework2.0のインストール
8.上記Lenovoのサイトから、「System Update 3.14 」をダウンロードしてインストール
System Updateが.net framework1.1a以上が入っていないといけないとの事だったので、先に入れた。
9.System Updateを使って、ドライバ等を自動でインストール
10.System Updateで入らなかった、無線LAN、オーディオ、トラックポイントドライバー、パワーマネージャーをインストール
無線LANのドライバはLenovoのサイトに4種類位あったけど、「Intel PRO/ワイヤレス 2200bg,2915abg Mini PCI アダプター」を使った。
11.FireFox、ウィルスバスター2011クラウドをインストール
とりあえずここまでインストールしたが、 プチフリが酷くて使い物にならない。
「あーこりゃCFではやっぱり無理だったか・・・」と思い始めていたが、FlashFireを使うと改善するという情報を見ていたのでやってみることに。
12.FlashFireのインストール
FlashFireのページからダウンロードしてインストール。そうしたら劇的に改善。完全には無くならないが、頻度が10%位にまで下がるし拘束時間も短くなるので大変満足。これは絶対に入れるべき。
FlashFire
http://flashfire.org/xe/?document_srl=148#0
起動時に「ようこそ」画面で10分位進まない件は、OSがCFをリムーバブルメディアとして認識しているせいだという情報を見つけたので、ドライバを差し替えてみる。
13.マイクロドライブのドライバのダウンロード
下記から、xpfildrvr1224 320.zipをダウンロードする。
http://www.mediafire.com/?d1nyytsd2xs
14.cfadisk.infに追記
ZIPを解凍して、cfadisk.infの[cfadisk_device]にCFの設定を追加。
regeditの HKLM\system\currentcontrolset\enum\ide\xxxxx で、xxxxxの部分を調べ、追加する。
今回のCFの場合は下記のように追記した。
%Microdrive_devdesc% = cfadisk_install,IDE\DiskTS32GCF400______________________________20101008
15.上記ドライバを強制適用
普通に適用しても「互換性のあるドライバが見つからない」とかなるので、下記のように強制適用する。
デバイスマネージャー → ドライバの更新 → 一覧または特定の・・・
→ 検索しないでインストール・・・ → ディスク使用 → 修正したcfadisk.inf指定
→ Hitach Microdrive
これで見事、「ようこそ」画面で10分くらい先に進まない現象が解消。素晴らしい。
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こんなところです。ポイントを纏めると、
・1.8インチHDDの環境をそのまま移行出来なかった(ブートしない)
・FlashFire、マイクロドライブのドライバインストールは必須
9000円と試行錯誤の時間が掛かったが、まぁ納得行く結果になりました。ゼロスピンドルだと電源が入ったまま持ち運んでも怖くないのがいいです。これでしばらくは現役を続けられそうです。