2014年8月17日日曜日

AM3450-A84Dのレビュー(2)

今までの投稿で一通りAM3450-A84D+Radeon HD 7790について設定が完了したので、まとめを投稿しようと思う。


【スペック・設定等】
◆スペック
CPU   AMD FX-8100(2.8GHz/4.0GHz/4.2GHz) ※Base/All Core Turbo/Max Turbo
メモリ  12GB(標準4GB + 8GB)
HDD   500GB
SSD   120GB
グラボ  MSI R7790-1GD5/OC(Radeon HD 7790)
OS    Windows 7 Home Premium(64bit)

ディスプレイドライバ   AMD Catalyst Control Center 14.4
OCツール         AMD OverDrive 4.3.1


【レビュー】
◆静音性
最初に使ってまず驚いたのが静音性。

AM3450-A84Dには、CPUファン、ケースファン(1個)、電源ファン、GPUファン(1個)の合計4個が搭載された状態になっているが、音がJ4509改に比べて圧倒的に静かで、例え寝ているときに点けっ放しにしてもまったく気にならないレベルである。

J4509改は特に気にしていなかったが、このように比較出来ると明らかに違いがある事が分かった。このPCの初期状態で搭載されているCPUファン、ケースファン、電源ファンはメーカー標準のものなので、AcerがこのPCをデザインした際、静音性も考慮したのだろうなと思った。
このPCは電源も80Plus Bronzeが搭載されており、個々の部品に結構拘りを持って作っていると感じた。

価格コムのこのPCのレビューにも、

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http://review.kakaku.com/review/K0000313449/#tab

【静音性】
静かです。
標準ではCPUクーラー・電源・ケースの3つのファンがついていますが全て静音です。
HDDクーラーやチップセットクーラーを購入するときに、これらよりも静かなものを探すのが大変だったほど。
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という書き込みがあったが、全く同意する。このPCの大きな利点に静音性があることは間違いない。


◆ケースのデザイン
このケースは、前面と天板がピアノブラックになっており、大変綺麗で高級感がある。
また天板に携帯置き場、USB端子4つ、イアホン端子、マイク端子が装備されていて大変使いやすいのもの良い。


あと電源ボタンが側面にあるのは好みが分かれるとは思うが、私はスマートなデザインで良いと思う。
その他、左側板に空気取り入れ穴が開いておりエアフローが良さそうなのもいいと思う。

このように外側はかなり好みなのだが、中を開けるとケーブルが「グチャ」っとしており残念。


これで裏配線がされている、もしくは可能なケースだと更に評価アップなんだけどな・・・プラグインケーブルの電源に変えて、なるべくケースの端っこに配線を這わせればすっきりするかな。


◆処理速度
AMD FX-8100は個々のコアの速度は遅いとの事だったので、全体的にもっさりしていないか心配だったが、普通にネット、youtube、gmail、オフィスを使う分にはまったく引っかかりなく使えて非常に快適である。
まぁこのレベルはPnetium G3420でも達成していたので当たり前といえば当たり前だが、シングルスレッド性能が高いG3420と比べて見劣りしないのはありがたい。

心配だったシングルスレッド性能も、Diablo3をプレイする場合の例だが、OC前だとカクつきが出たが、4.0GHz/4.2GHz(All Core Turbo/Max Turbo)にした場合、快適にプレイできるようになった。


◆消費電力
ワットメーターで計測した、システム全体の消費電力。
アイドル時:65ワット、Diablo3時:200ワット。参考として、J4509改はアイドル時:55ワット、Diablo3時:150ワット。
アイドル時は頑張っているが、Diablo3時は50ワットも増えている。

しかもグラボは、AM3450-A84DはRadeon HD 7790でTDP85W、J4509改はGTX660で140Wとかなり差があるので、FXは確かに(悪い)評判通り電気を喰う。


◆温度
CPU  アイドル時:30度、Diablo3ピーク時:55度程度。しかし、上記の大きな消費電力をみると、
     このHWiNFO64に表示される温度は正しいのか疑問がある。
     ただ、J4509改よりPC後部からの排気の温度は低いので、もしかしたら正しいのかも
     しれない。(参考:J4509改(i7-4770Kは、Diablo3プレイ時Max60度)
GPU  アイドル時35度、Diablo3ピーク時68度程度。
     ちなみにGTX660は、アイドル45度、Diablo3ピーク時80度程度。

温度はそもそものパーツの性能やケースやファンの性能に影響されるので、今回のような全く異なる構成ではあまり意味がないが、参考の参考程度で見てほしい。

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こうまとめてみると、本体20,500円、グラボ7,250円、合計27,750円でこれだけの性能を持つと考えると、大変コストパフォーマンスが良かったと思う。

メイン機はこのAM3450-A84Dにすることにした。

AM3450-A84Dのレビュー(1)

前回までの投稿で、PCとグラボの購入が済んだので、今回はメイン用途(笑)のDiablo3の使用感とそれに伴うオーバークロッキングをレビューする。

■まずはノーマルでプレイ
まずはノーマル状態でプレイしてみたところ、何だか動きがカクカクしている。
明らかにi7-4770K+GTX660のJ4509改と比べて快適でなく、プレイしていると気持ちが悪くなってくる・・・

「やはりFX-8100ではクロックが低いせいか」という事で、CPUのオーバークロック(OC)を試すことにした。


■OCを試みるが不具合
まずはBIOSを開いてOC設定があるか調べたが、それらしき設定は全く無い。というか、本当にBIOSで設定できる項目が少ない。さすはメーカー製PCだ。(苦笑)

ということでWindows上のツールが行えないか調べてみたところ、グラボのドライバとしてCatalyst Control Center(CCC1)4.4をインストールしたが、このCCC上にAMD OverDriveという項目があり、ここで自動でOC可能な範囲の洗い出しとOC有効化を行ってくれる事がわかった。



私のマシンで早速行ったところ、定格2.8GHzから3.1GHzまでアップ可能となった。

約1割のアップだが、K53TKの時は無理をすれば2.4GHzが3.0GHzと2割以上のアップが出来たので些か期待外れ。
またFX-8100はMax Turboで3.7GHzまでアップ可能な筈だけど、このツール上ではTurboがどうなるのかさっぱり判らない。

「まぁまずはこれで多少はDiablo3のカクつきは改善されるか試そう」
ということで、3.1GHzにアップ可能なOC設定でDiablo3をプレイしてみた。

ところが、改善されるどころか新たな不具合が発生してしまった。

Diablo3の動作が早送り状態になっている。なんて言えば良いのだろう、描画間隔が非常に広く、コマ落ちが物凄い状態になっておりとてもプレイできる状態でない。

この現象はCCCでAMD OverDriveをオフにすると改善するので明らかにOCが原因。


■別のツールを試す
「うーん、CCC内のツールではうまくいかないのかな」

と思い、他のツールがないか調べたところ、AMDが別のツールとして「AMD OverDrive」というソフトを出しているという事が分かった。

◆AMD OverDrive(2014/8/17時点の最新は4.3.1)

このツールはCCC内の項目と同じ名称だが、機能は全然違い、非常に多くの項目をモニタリング可能、かつ細かな設定が出来る。
AMDの意図がよくわからないけど、CCC内の機能はEasy OC、別ツールのAMD OverDriveの方はマニア向けということなのだろうか。


で、さっそくこのツールを使ってOCしてみることにする。
ツール内の、「パフォーマンス制御」→「クロック/電圧」を開き、そこの「クロック」欄のスライドバーを動かすと、最大クロックを変えられるようだ。
このスクリーンショットでは「14 X」になっているので、ベースクロック200MHzX14=2800MHz、つまり2.8GHzということだろう。

まずはこれを「14.5 X」、つまり2.9GHzにしてみてDiablo3をプレイしてみたところ、CCC内のツールでOCした時と同じく早送り状態になってしまった・・・


■早送りの原因を調査
「AMD FXでOCした状態ではゲームをプレイできないのかよ。」

と諦めかけたが、こんな程度の事はFXユーザは当然のように行っている筈なので出来ないのはおかしいと思い、もう少し調べてみることにした。

まず早送りになる件について、類似のキーワードで検索したところ、どうもRDTSC (Read Time Stamp Counter)という、CPUクロックに基づく相対時間を計測するのに利用する命令に関係するトラブルのようだ。

簡単に言うと、ゲーム内では様々な時間を必要としている(例:この攻撃の効果は何秒間続くとかだと思う)が、それをカウントするのにこのRDTSCという命令を使っているらしい。

で、このRDTSCはCPU内でクロックに従ってカウントアップされるが、複数コアを持つPCの場合にはコア毎にカウンタがずれるらしい。よって、あるタイミングでカウンタ値を読み込んだコアと次に読み込んだコアが異なると、このずれによって正確な時間がカウント出来なくなりおかしくなるという事だと思われる。

もちろん、別にOCしなくてもこの問題は発生する筈なのでなんらかの打ち手がアプリ側に組み込まれているのだとは思うが、OCするとその打ち手がうまく働かないのだろう。

これを防ぐ方法の1つとして、該当プログラムは特定1コアしか使わない状態で起動するというものがあるとの事だったので、同じく早送りになるDQ10ベンチを特定1コアしか使わない状態で起動させてみた。

◆元のベンチ起動コマンド
"C:\Program Files (x86)\SquareEnix\DRAGON QUEST X BENCHMARK\Game\DQXBenchmark.exe"

◆3コア目しか使わない状態でのベンチ起動コマンド
C:\Windows\System32\cmd.exe /C start "" /affinity 0x04 "C:\Program Files (x86)\SquareEnix\DRAGON QUEST X BENCHMARK\Game\DQXBenchmark.exe"

※このコマンドのポイントは、affinity引数で指定している16進数。この例だと0x04なので、2進数に直すと00000100。3桁目が1になっている、つまり3番目のコアだけ使うという指定になる。ちなみに1コア目と3コア目だけを使う場合には、0x05=00000101になる。

この状態で起動させると、確かに早送りにはならない。よってOCする事によりRDTSCのカウントアップがプログラムが想定しているタイミングより早くなってしまい、早送りになってしまうのだと思われる。

「では特定コアのみを使用した状態で使うか」とも思ったが、その場合はコアが1個しか使えないのでOC前の2.8GHzより遅くなってしまい、OCする意味がない。


■対処方法を発見
もう一度AMD OverDriveの設定画面をチェックしてみると、「クロック/電圧」の初期画面上にクロックのスライドバーがあるが、「Turbo Core...」ボタンを押して表示される第2画面にもある。


「もしかしたら、初期画面のスライドバーはベースクロック(という言葉でよいのか?)を変更してしまうのでRDTSCもおかしくなってしまうが、この「Turbo Core...」画面の方を変更すれば、負荷が掛った際のTurbo時のクロックが変わるので、RDTSCへの影響はないか?」

と想定して、初期画面の方は「14 X」ままとし、第2画面の方を「20 X(=4.0GHz)」としてみてDiablo3を起動したところ、見事早送りが解消された!!

しかも2.8GHzの時と違ってカクつきが解消されていて快適にプレイ可能になった。

これを見つけた時は本当に嬉しかった。


■Diablo3をプレイ
OC状態でDiablo3をプレイできるようになったのでさっそく検証。
ドタ感で「4.0GHzくらいなら大丈夫かな?」とあたりをつけて「20 X」までOCした状態で、プレイした際のログをまとめたグラフは下記の通り。

【負荷状況】
・CPU : Core#3-#1が平均70%程度。ただ所々90%近くになっている。
      Core#0-#0、#1-#0、#2-#0は平均20%程度
      あとは働いていない。
・GPU : 平均80%程度だが、100%に張り付いている場合もしばしば見られる。

Diablo3は基本的にシングルコアアプリなのでCPU Core #3-#1の負荷だけが高くなっているが、CPUがボトルネックとはなっていないようだ。ただもう少し余裕があってもいいかもしれない。

ボトルネックになっているのはGPUの方で、所々100%に張り付いてしまっている。

 【プレイ感覚】
概ねJ4509改(i7-4770K)と遜色がない快適さで動作したが、所々J4509改では感じられなかった、0.1~0.2秒くらいの引っかかりを感じた。これが上記グラフのGPU100%のタイミングなのかもしれない。

しかし2.8GHzの時と比べると非常に快適で、これなら常用マシンにしても問題ない。


格安で購入したPCだが、とりあえず自分の用途で快適に使えるように出来て良かった。

2014年8月13日水曜日

Acer Aspire AM3450-A84D(AMD FX-8100/4GB/500GB)を購入(2)

前回手に入れたAM3450-A84Dに搭載するグラボとして、以前の投稿ではDiablo3はPassmark G3Dで3000以上はあれば大丈夫そうだとあたりをつけた。

Radeonで3000以上となると、

Radeon HD 7790    3019
Radeon HD 7850    3727
Radeon R7 260X    3032
Radeon R9 270     4213

あたりになる。

で、ヤフオクで探して入手したのがこれ。

■MSI R7790-1GD5/OC(落札価格7250円也)

メモリ容量が1GBだけど、以前の投稿で調べたようにDiablo3は600MBあれば十分なので問題ないでしょう。

早速AM3450-A84Dに取り付け、AMDのサイトから現在最新のドライバ14.4を導入。

■AMDのドライバサイト
http://support.amd.com/ja-jp/download

ドライバ導入も問題なく行え、ここまで大変スムーズに来れた。
またいままでNVIDIAのGTX660を使っていたけど、7790に変えたところ表示の色合いが鮮やかかつ柔らかくなった感じがする。前に7750を使っていた時もそうだったけど、グラボで変わるんだなと実感した。個人的にはRadeonの方が好みで、この点も良かった。

これでFX+Radeonの、「AMDしか入っていない(笑)」機をゲットできた。

次回からはこのPCの環境設定を行っていこうと思う。

2014年8月10日日曜日

Acer Aspire AM3450-A84D(AMD FX-8100/4GB/500GB)を購入

J4509改をi7-4770Kに換装して一通りのパワーアップが完了し、「これでもDiablo3が遅いのならPC以外が原因でしょう」という状況まで持ってこれた。

ただ個人的には、大昔にAMDのAm486DX4-100というCPUで自作して以来、AMDというメーカーは好きだったので、J4509改はIntel+NVIDIAという「AMD入っていない」というのはとても残念で、いつかAMD機も一台欲しいなと思っていた。

AMDが現在力を入れているのは強力なGPUを内蔵したAPUという製品なので、トレンドからするとこれを手に入れるべきなのだが、ここで言う「強力」とは「内蔵GPUにしては」なのが気になっていた。

現在最新最高のAPUはA10-7850Kであり、これに内蔵されているGPUは8コア/512SP/720MHzという事だ。
これにスペックが近いものはRadeon HD 7750(8コア/512SP/800MHz)であり、クロックが1割程低いので7750より多少性能が低い程度だと思われる。
ただメモリがDDR3になってしまうので、GDDR5に比べると更に3割くらい低くなるか。

内蔵GPUで7750程度の性能が出るというのはとてもすごいと思うが、前の投稿でも書いたように7750ではDiablo3 RoSは力不足なので、APUでは私の用途には合いそうもない。
たぶん、売りのAPU内蔵GPUを殺して、別途dGPUを使うという間抜けな状況になりそうだ(笑)

APU以外となるとFX系列しかないが、これはこれで心配がある。FXはコア数は多いが、1つ1つのコアの性能は低いと聞く。Diablo3は基本的にシングルスレッドアプリなので、FXは最も向かないCPUだと思う。

ここまで考えると、
「AMDってDiablo3に向かないんじゃないか・・・」

とか思えてくるのだけど、実際に触ってみないことには評価もできないので入手しようと思う。

APUとFX、どちらにするかだけど、売りの内蔵GPUが無駄になってしまうのはくやしいのでFXにする事にした。FXはソルダリングなのでOC耐性が高そうだし、多コアというロマン要素もたっぷりあるし。

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しかしヤフオクでFXの出品を探していたのだけど、マイナー製品のためあまり出品されていない。
特にパーツではなくPC丸ごととなると殆ど無い状況だった。

ということで気長に数週間ヤフオクの出品を探っていたのだが、AcerのAspire AM3450-A84DというFX-8100搭載のPC本体が安く出品されたのを見つけた。

このPCのスペックは下記の通り。
CPU AMD FX-8100
メモリ 4GB
HDD 500GB
グラボ Radeon HD 4250(オンボード)

FX-8100のクロック数は、通常2.8GHz、ターボで3.1GHz(同時5コア以上)もしくは3.7GHz(同時4コア以下)というスペック。

「どうせならFX-8150(3.6GHz/3.9GHz/4.2GHz)程度が欲しいな」と思っていたが、値段が安かったので、「OCである程度カバーできるだろう」ということで落札する事にした。落札金額20,500円也。

で、届いた品がこれ。結構綺麗でうれしい。


側面にスペックシールが貼り付けられていた。


背面の開封シールも剥がれてなかった。商品の状態にはとても満足。


開封シールが残っていたのでちょっと躊躇ったが、開けなきゃグラボ増設ができないので封印シールを切って開けてみた。

うん、埃がほとんど無い。良かった。前に買ったJ4509の時は酷かったからなぁ。

ちなみに搭載されていた電源は80Plusブロンズ。こんな廉価PCにまともな電源を載せてくれたAcerに感謝!

笑ってしまうのがUSB端子の数。背面に10個(うち2個はUSB3.0)、上部に4個と、合計14個も搭載されている。誰がこんなに使うんだ?

あと、オンボードのグラボのPassmark G3D値は130とゲームするのは到底不可能な性能なので、Diablo3を使うなら別途用意する必要がある。

「AMDのCPUにはAMDのグラボでしょ」という事で、次回Radeon系列のグラボを入手することにする。